わかば会員の直面している社会的問題

(順不同)

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◇全国レベルでの遷延性意識障がい者の実態調査の実施
一部の県レベルでは遷延性意識障がい者の実態調査はなされたことがありますが、全国レベルではどこに何人の遷延性意識障がい者がいるのかさえ把握されておらず、3万人とも5万人とも言われています。先ずはこの実態調査を実施し、以下の改善の予算化を望みます。

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◇意識障がい専門の介護施設の設置
身辺のことが自分でできない遷延性意識障がい者に対応できる施設は殆どありません。交通事故が原因の場合は国土交通省管轄の療護センターはありますがここも入所期限付きです。発症原因や発症年齢にかかわらず遷延性意識障がい者専門の介護施設を早急に各都道府県に設置されることを望みます。

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◇同一病院での入院期間の延長
現在の診療報酬制度では3ヶ月を超えると同一病院での入院継続が難しいため、概ね3ヶ月を過ぎると転院、退院を促されます。やっと転院先を確保できても、すぐにまた次の転院先を探さねばならず、何ヶ所も転院している方もいます。遷延性意識障がい状態の特性を考慮し長期入院が可能な制度を望みます。

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◇回復期病床の増床とリハビリの拡充
一方、急性期病床から転院を促されると回復期病床ではなく慢性期病床(療養型病棟)への転院先しかない、という状況が増えています。これは発症から短期間での転院のため、気管切開や胃瘻等をしていたり人工呼吸器を使用しているケースが多く、この管理や体位交換・おむつの取り換え等が必要であり、回復期病床では看護師等が少ないため対応ができず、看護体制の整っている慢性期病床に移される、という背景があるためです。しかし脳損傷の場合はリハビリは大変重要な回復手段であり、急性期病床の後は回復期病床に移り、そこでのリハビリの充実により遷延性意識障がいになる事を回避できるような医療体制を望みます。
もう一点は現在の機能別病床数の偏在にも課題があります。2017.5.11の日経新聞に掲載された学習院大学鈴木亘教授の提言によると、現状(病床機能報告における報告)と、2025年の機能別病床数の目標値(医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会・第一次報告)は以下の通りであり、目標に対して大きくかけ離れており、これは過去の医療政策の失敗の結果であると指摘されています。
  現状(2017年) 目標(2025年)
  高度急性期病床 16.9万床(14%) 13.0万床程度    (11%)
  急性期病床 59.3万床(48%) 40.1万床程度    (34%)
  回復期病床 12.9万床(10%) 37.5万床程度    (32%)
  慢性期病床 35.4万床(29%) 24.2~28.5万床程度(23%)
124.5万床 114.8~119.1万床程度
1日も早い回復期病床の増床と、そこでの脳損傷者に対するリハビリを含めた回復医療の拡充を望みます。

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◇ショートステイの拡充
在宅における介護者は24時間×365日の介護を余儀なくされています。介護者が元気でなければ良い介護はできません。介護者のレスパイト(休息)のために障がい当事者が快適に看護を受けられるショートステイの拡充を望みます。更に、障がい当事者の中には痰の吸引、人工呼吸器管理、経管栄養等医療的ケアが必要な者が多く、医療的な対応のできるメディカルショートステイの拡充を望みます。少なくとも国・公立病院には遷延性意識障がい者専用のショートステイ用ベッドの設置を望みます。

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◇ヘルパー等介護職への医療行為緩和の普及・浸透
ヘルパー等介護職への医療的行為の緩和は可決されましたが、まだ現場に普及・浸透しているとは言えません。この制度の普及・浸透のために介護事業所への各種制度(手当、教育期間等)の改善をし、この制度の迅速な推進を望みます。

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◇意識障がい改善に有効と思われる治療行為の普及と保険点数化
日本意識障害学会等を聴講しても多くの意識障がい改善事例が報告されています。また、私たちの回りでも紙屋式看護術(新看護プログラム)、脊髄硬膜外電気刺激(DCS)、脳深層部刺激(DBS)、音楽運動療法等により改善している例が少なからずあります。これらの改善術の普及と、今は高額な費用がかかるためこれらが保険対象とされることを望みます。更に、今後についても脳に対しての再生医療(iPS細胞・ES細胞・骨髄間葉系幹細胞移植等)、経頭蓋直流刺激(tDCS)など先進医療やリハビリロボットの研究・応用の推進・普及も望みます。

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◇保健医療によるリハビリ時間上限の撤廃
2006年より発症後180日を超え、改善の可能性が低いと医師が判断した場合は医療保険でのリハビリにかけられる時間は月260分に上限が設定されました。リハビリをしなければ手足の拘縮・痙縮は進んでしまいますし、現状を維持することも障がい当事者にとって必要なことです。一方で刺激を与えることは意識改善にも繋がる大切な手段です。260分でPT(理学療法)、OT(作業療法)、ST(言語聴覚訓練)をこなすには時間が足りませんので、この上限時間を撤廃することを望みます。

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◇障害者手帳に意識障がいの明記とそれに伴う福祉制度の拡充
現在の障害者手帳には四肢体幹機能障害(1級)としか書いてありません。私たちの介護している障がい当事者はそれに加え遷延性意識障がいという状態を抱えていますので、これを明記し、その状態に合わせた福祉制度の拡充を望みます。

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◇障害者自立支援法の重度訪問介護の地域間格差の是正と24時間派遣
私たちの介護する障がい当事者は在宅介護では家族介護以外にヘルパーのお世話になることも欠かせません。しかしこのヘルパーの派遣時間に地域間で大きな差があります。例えば東京都千代田区では月1155時間に対し鳥取市では304時間と4倍の差があります(2012年11月朝日新聞記事)。これは介護事業所の数の問題もありますが、ヘルパー派遣に対する国の費用負担のあり方(=市町村の負担増)や介護事業所に支給される報酬単価の低さがありますので、これらの早急な改善による地域間格差の是正と1日24時間派遣が可能な制度化を望みます。

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◇交通事故に伴う療護センターの増設と協力病院の充実
交通事故に伴う死亡者は減っていますが、一方で医療技術の進歩により重大な後遺障がいを持つ障がい者が増えていると推察できます。その中には遷延性意識障がい者も増えていると思われますし、私たちの介護している障がい当事者の発症原因としても交通事故が多くあります。これらに対し現在は独立行政法人自動車事故対策機構の運営する療護センター及び委託病院が全国に7か所(計270床)ありますが、これでは需要に対し不足しており、この増設を望みます。また同機構はショートステイ用に協力病院をネットワーク化していますが、この病院に対し更なる遷延性意識障がい者の看護技術等の教育の充実を望みます。

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◇災害時要援護者支援体制の早期確立
私たちの介護している障がい当事者は災害時には何らかの援護がなければ死に直面する最弱者です。四肢体幹麻痺状態ですので避難が必要な場合にも介護者一人では避難できません。また停電すると次項の通り電気を活用した生活ですので重大な危機に陥ります。災害は明日来るかも知れず、先ずはこれら要援護者の実態を把握し、有事には適切な支援ができる体制が至急作られることを望みます。

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◇電気料金や家庭用発電機の助成
私たちの介護している障がい当事者には体温調整が難しいため、夏は冷房・冬は暖房を24時間欠かすことができない者、人工呼吸器を使っている者、頻繁な痰の吸引が必要な者がおり、その他にも移動リフト、電動ベッド、電動車いす、住居用エレベーター等を使用しています。これらは全て電力で動いており電気代の値上げも家計に大きく影響します。また、上述の災害時対策として家庭用発電機も必要です。これらの全額とは言いませんが一部だけでも助成していただけることを望みます。

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◇同じ状態にも関わらず障がい者間の不公平是正
障がい発症の年齢が18歳未満(障がい児)か18歳以上(中途障がい者)かで使える福祉施設、制度に差があります。障がい当事者の現在の状態像で福祉を考えるべきであり、この年齢区分を廃止し18歳以上の発症でも18歳未満発症の福祉施設や制度等を使えるよう望みます。

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◇介護者亡き後の不安の払拭
私たちは現在介護している親・配偶者・兄弟・子等の介護者が死亡或いは長期入院する場合の、残された障がい当事者の介護や生活について大きな不安を抱えています。今の福祉環境の中ではこれに対応する福祉制度は皆無に近く、国或いは地方自治体の制度として、残された障がい当事者が寿命を全うする最後の一日まで快適に毎日をおくり、介護者も安心して死ねる或いは長期療養できる社会の実現を望みます。

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◇憲法第25条に保証される、尊厳ある人間の、人間らしい生き方を求めます
憲法第25条
 すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 2、国は、すべての生活部分について、社会福祉、社会保険及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
重度障がい当事者も健常者と同じように人間らしい暮らしができる共生社会の実現を望みます。

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